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泉美木蘭
2019.7.23 13:20日々の出来事

宮迫さんの会見と、岡本社長の会見

シュウさん、しんちゃん、別に不信感は持ってへんよ~!
「おいおいお~い!」ってツッコミ入れたかっただけだから、
あんまり気にしすぎんとってね。感謝してますよん。

昨日は生放送から帰ったあと、20年来の友人から電話があって、
宮迫さんと、岡本社長それぞれの記者会見での第一印象が
私と全く一緒だというから「そやろ?」とやたら盛り上がった。

だいたい、「宮迫さんの記者会見は明瞭だったのに」と比較して、
しどろもどろの岡本社長を総叩きするのっておかしくない?
私は、宮迫さんの記者会見の様子を見て、
「なんかこの顔、演技ちゃうかあ?」
という印象をまず持ったけどなあ。
岡本社長の言葉を再現したり、ワイドショーに向かって訴えかける
場面なんかも、なんだか作り込みを感じて、隣で憔悴しきっている
ロンブー亮との「素」の違いがありすぎた。
亮の涙に引きずられるのはわかるけど、やっぱり宮迫さんの様子は
変だなあと思った。友人も同じことを言っていた。

岡本社長の要領を得ない部分をテレビで叩いてるけど、普通の人は
あんなもんだよ?
ごく普通のインタビューの場面でも、
質問のポイントをその場でパチッと押さえて、インタビュアーが
求めていることだけを、何のムダなく明瞭に答えられる人もいれば、
すぐに理路整然と思考を整理できなくて、あれこれと余計な背景から
語り始めて、話がずるずる迂回してしまう人もいる。

前者は必要な言葉を短時間で大量に得られて、記事も書きやすい、
編集もしやすいから好かれるけど、

後者は時間がかかるから、忙しいインタビュアーは煙たがる。
常に自己アピール内容を自分の中で整理している企業家のような人や、
人前で話すことに慣れているタレントと、
岡本社長のようなおっちゃんとでは、様子が違って当然と思うけどなあ。

「準備不足」「企業のトップとしてどうなのか」と言うけど、
松本人志の苦言に応じてすぐに記者会見を宣言しただけでも、
まったく逃げる気がないのはわかるじゃん。
時間の制限も設けずに5時間半も会見に応じた。
練習しまくった「鉄壁の記者会見」だったら、それもそれで
叩かれたでしょ。
「正しいお詫びのやり方」という論点で品定めしているのが
まずおかしいよ。

だいたい岡本社長は「超合理的なビジネスマン・企業家」という
キャラクターじゃないし。
若いころはダウンタウンのマネージャーとして、
裸に白ブリーフ一枚の姿で、テレビの前に引っ張り出されていた
ような、いじられ役で、「コンプライアンス」なんて言葉が、
本来、全然似合わない。

そりゃセコい部分も、横柄な部分もあるんでしょう、
ダウンタウンの浜田みたいな人とも日常的に付き合ってきて、
あれだけのど~しょもない芸人たちを大勢抱えて、
サーカス団の団長みたいなところがあるんだから、
「おまえら全員首にするぞ!」ぐらいの一喝もあると思うよ。

だいたい、宮迫・亮の記者会見で、
私は爆笑してしまったシーンがあるんだけど。

「俺はいくらもらったんだ?」
「100万円です」
「でもそれは忘年会の支払いになっただけだろ?」
「いえ、おつりをもらってました」
「そうか・・・それは会社に言わなあかん」

なんやねん、この神妙なアホのやりとり!(笑)
100万円もらったうえに、忘年会に金出してるという。
おつりをもらって、やっと観念って。
ここ、笑った人いないの!?
バカ殿ばりの会話の再現が、コントみたいで私は笑ってしまったよ。

宮迫が力業で会社批判・ワイドショー批判に持っていったから、
すっかり世論が誘導されて、論点がすり替わっていったけど、
そりゃ、こんなアホなこと記者会見で言ってしまう恐れがあって、
第2弾、第3弾と週刊誌にやられるかもしれない状態では、
すぐに記者会見させられないし、まずは「静観」ってのもわかる。

年末の、笑ってはいけないシリーズにいつも出て来る藤原さんが、
「静観」の件について説明していたけど、
私には、ウソついて自己弁護しているような様子には見えなかった。

カラテカ入江が切られるのは仕方ないと思うけど、
あとの芸人はまだ救えるという判断が、最初はあったんじゃない?
どの週刊誌から、誰のどんな続報が出ても耐えられるように、

全員の聴取を完全にやって、対策し、然るべき時期に、吉本として、
「ちゃんと叱ってしつけます、こいつらアホなんで許してやって
ください。どうかまたご愛顧ください」
という意図の会見ができれば、それでまとまった話だったんじゃ
ないのかなあ……。

 

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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